「AGAVE LOVE × TEQUILA FESTA 2019 in TOKYO」レポート&ギャラリー

テキーラやメスカルといったアガベスピリッツが世界を席巻している昨今。
そうしたメキシコ発のスピリッツの今を知ってもらうべく、「TEQUILA FESTA」を主催するJUASTの目時裕美と、世界的なアガベスピリッツのイベント「AGAVE LOVE」の仕掛け人であり、CRM(メスカル規制委員会)公認のメスカルアンバサダーでもあるフィル・ベイリー氏のタッグによって昨年初めて開催した「AGAVE LOVE × TEQUILA FESTA」。
2回目の開催となる今年は、フィル氏の他、CRMの代表やメスカルブランドのオーナーなど、総勢13名が来日ゲストとして参加。テキーラのプロモーションはもちろん、「メスカルの日」の制定(毎年10月21日)をコンテンツの一つとして、東京・大阪・名古屋の3都市で開催しました。

その先陣を切った10/19-10/20の東京開催では、初日はテキーラ、2日目はメスカルと、各日コンテンツを分けて開催。会場となった緑が美しいモダンなメキシカンレストラン「BOSQUE」には、インポーター各社や来日ゲストらがブースを構え、多くのテキーラ&メスカルラバーが集結しました。

初日の集合写真

初日の集合写真

テキーラが主軸となった初日、まず初めに行われたのがフィル氏による「テキーラトレンドセミナー」。
フィル氏は、『テキーラとメスカルは年々マーケットが成長し続けている中で、各ブランドごとの個性を出すために近年は廃れてしまった伝統的な製法を取り入れるメーカーや、メスカルの手法を取り入れて独自の風味を出すメーカーも出てきている。また、熟成においては今まで使われてこなかった白ワインの樽などを用いるケースも増えてきている。そうした様々な試行錯誤が今は行われている』と、近年のトレンドについて語りました。

フィル・ベイリー氏

フィル・ベイリー氏

プログラムの後半には、Jose Cuervo社が主催するカクテルコンペティションの世界大会で優勝した経歴を持つ江刺幸治氏(SPIRITS BAR Sunface SHINJUKU/新宿)を講師に招き、テキーラカクテルのプレゼンを実施しました。

江刺幸治氏

江刺幸治氏

その後インポーター各社によるテキーラブランドのセミナーが行われ、後半のコンテンツであるオープニングパーティーに移行。この日のゲストDJであるDJ SARASAによるBGMが会場の雰囲気を引き立てると、テキーラやメスカルの試飲を楽しみながら、各ブランドの違いなど、情報をアップデートしている来場者の様子が印象的でした。

メスカルが主軸となった2日目は、フィル氏と、同氏とともにアメリカで公式メスカルアンバサダーを務めるエドゥアルド・ベラウンサラン氏による「メスカルトレンドセミナー」からスタート。
フィル氏は『産業的に発展してきたテキーラと比較すると、メスカルは伝統的な手法で拘って造られている。多種多様なプロファイルのアガベを用いて、非常に少ない量を手間暇かけて造っており、それがメスカル独自の価値を生み出している』と語り、続けてエドゥアルド氏は『メスカルは1000年来の歴史を有する伝統的なスピリッツであり、そうした歴史が非常に複雑なメスカルの世界観を醸し出している。今や素晴らしいレストランにも置かれるようになっているが、何年もの間その伝統を紡いでくれたマエストロ・メスカレロがいたからこそ今の状況がある』と語りました。

エドゥアルド・ベラウンサラン氏によるセミナーの様子

エドゥアルド・ベラウンサラン氏によるセミナーの様子

初日同様、後半にはカクテルのプレゼンが実施され、日本のメスカル業界を牽引するフェリー・カデム氏(FERRI’S/西麻布)によるメスカルカクテルの紹介が行われました。

フェリー・カデム氏

フェリー・カデム氏

その後行われたのは、インポーター各社によるメスカルブランドのセミナー。「パロ・デ・コブレ」を輸入するアレグレス社のセミナーでは、来日ゲストの一人であるブランドオーナーのエドゥアルド・センガー氏自らがスピーカーとなり、ブランドのストーリーや特徴が語られました。

エドゥアルド・センガー氏

エドゥアルド・センガー氏

イベント後半の試飲会では、ゲストらがブースに立つメスカルブースエリアが大盛況。生産者やオーナーと触れ合えるだけでなく、リアルな情報を聞き出せる貴重な場とあって、積極的にコミュニケーションを図る来場者が多く見受けられました。

試飲会の様子

『日本でもテキーラ・メスカルを飲んで楽しむだけでなく、知識を求める人も増えてきました。メキシコの文化や歴史、世界基準のトレンドや情報を理解し、より深くテキーラやメスカルの世界を知って味わうという次のステージにきている』というJUAST目時が語る開催の意図を汲むように、2日間に渡った東京開催では、非常に濃密でリアルな情報が発せられました。
メモを取る来場者が多く見られるなど、参加いただいた方々の意識の高さが印象的で、今後テキーラ・メスカル業界がさらに面白くなることを感じさせてくれました。

PHOTO GALLERY

写真・テキスト:小針真悟(LiquorPage)